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外猫問題をテーマにした小説の順位上昇

 諸君はペットを飼ったことがあるだろうか。

 小生は猫を飼っていた。
 とても可愛くて利口な子だった。
 風邪を引いた時、寂しい時、不安な時、涙を流した時、そいつは小生の膝の上で丸くなって、決まってゴロゴロ鳴いていた。

 完全室内飼育で、何があっても外に出すまいと頑張っていた。

 猫は猫で、外に興味津々。飛び出したくて仕方ないといった様子だった。

 だが、それは出来ない。したくない。

 かつて小生はひとつ大きな過ちを犯したことがある。
 我が家の玄関に、子猫が二匹、ダンボールに入れられ捨てられていたことがあった。
 まだ幼かった小生は、その子たちに「にゃんにゃん」と「にょんにょん」と名付け、こっそり外で飼うことにした。

 その二匹とも、一週間後死んだ。
 初めて見つけた翌日に、にゃんにゃんもにょんにょんも、殺虫スプレーをかけられていたのだ。
 迂闊だった、盲点だった。

 全員が猫好きだと勘違いしていた。

 いや、小生自信が自分のことを猫好きだと勘違いしていた。
 本当に好きなら、本当に大切な命なら、責任をもって家で飼うべきだったのだ。
 だが、あの頃の小生はその判断ができなかった。

 守ってやるという意識が欠けていた。

 君たちは、そうならないで欲しいと、切に願っている。

https://kakuyomu.jp/works/16818792438691502242

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