諸君はペットを飼ったことがあるだろうか。
小生は猫を飼っていた。
とても可愛くて利口な子だった。
風邪を引いた時、寂しい時、不安な時、涙を流した時、そいつは小生の膝の上で丸くなって、決まってゴロゴロ鳴いていた。
完全室内飼育で、何があっても外に出すまいと頑張っていた。
猫は猫で、外に興味津々。飛び出したくて仕方ないといった様子だった。
だが、それは出来ない。したくない。
かつて小生はひとつ大きな過ちを犯したことがある。
我が家の玄関に、子猫が二匹、ダンボールに入れられ捨てられていたことがあった。
まだ幼かった小生は、その子たちに「にゃんにゃん」と「にょんにょん」と名付け、こっそり外で飼うことにした。
その二匹とも、一週間後死んだ。
初めて見つけた翌日に、にゃんにゃんもにょんにょんも、殺虫スプレーをかけられていたのだ。
迂闊だった、盲点だった。
全員が猫好きだと勘違いしていた。
いや、小生自信が自分のことを猫好きだと勘違いしていた。
本当に好きなら、本当に大切な命なら、責任をもって家で飼うべきだったのだ。
だが、あの頃の小生はその判断ができなかった。
守ってやるという意識が欠けていた。
君たちは、そうならないで欲しいと、切に願っている。
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