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211話 奥州の誓い――義経は知る 秀衡の遺志 投稿しました

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1187年、冬。
雪が降り始めた奥州・平泉。
病床に伏す藤原秀衡は、源義経を密かに寝殿へと招き入れる。

「義経……そなたに頼みがある」

その声はかすかだったが、東国を揺るがす未来の運命を告げていた。
――奥州を守るため、義経と秀衡の子・泰衡、国衡の三人が一心同体となること。

だが、兄弟の胸にはそれぞれの迷いと疑念があった。
「なぜ、俺が跡を継げぬのか……」
「義経殿は、都の人。我らを信じてくださるのか……」

炎のような国衡、理知の泰衡、そして流浪の義経。
三つの魂が交わる時、奥州の命運が決まる――。

秀衡が残した最後の言葉、
「三人一味となり、この国を守れ」

雪の降る夜、義経は筆を執り、誓文に名を記す。
義経、泰衡、国衡――その名が並んだ紙の上に、
やがて、東北の運命を分ける影が落ち始めていた。

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