さとちゃんペッ！

https://kakuyomu.jp/works/16818792438048725794/episodes/7667601420186841167

――秋、青景の里に、ひとつの奇跡が生まれた。

稲刈りの疲れも冷めやらぬ朝、安介の目に飛び込んできたのは、たたら衆と里人たちの知恵が結晶した“千歯扱き《せんばこき》青景モデル”。
棒で叩く苦労はもういらない。鉄の歯がザラザラと籾を落とし、黄金の粒があふれ出す――その瞬間、歓声が里を包んだ。

努力と工夫、恩返しと感謝。
赤郷の里への贈り物、そして豊作の喜び。
地頭・秀通の誇らしげな眼差しのもと、青景は確かにひとつの「里」として歩み出す。

秋風に揺れる稲の香りの中で、
安介は思う――「みんなで生きる」とは、こういうことなんだ、と。