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184話 義経、兄に子を殺され、それでも許しを請う

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1186年閏7月。腰越の浜に吹く風は、夏の終わりと悲しみの始まりを告げていた。
鎌倉入りを拒まれ続ける義経のもとに、静御前が子を産んだという報せが届く。
だがその次の言葉が、彼の世界を沈黙へと変えた――。
「お子は……由比ヶ浜に沈められました」

怒りも涙も声にできず、ただ波打ち際に立ち尽くす義経。
その夜、灯火の下で彼は筆を取り、兄・頼朝へ最後の願いを綴る。
それは、弟としての祈りか、それとも人としての絶望か――。

海鳴りが、失われた産声のように響く。


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