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154話 畑づくりと石斧

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親父さんに託されたのは、清盛公が唐船から持ち帰ったという――綿花の種。
ざるの中には、ささげや大根、かぶ、ごぼう……さまざまな命の粒が眠っていた。

「牛で荒れ地を畑に変えよう」
そう決まって、俺とハヤテは佐竹衆に頼みに行く。
雨の中、蓑と笠に守られながら走った先で、彼らが牛を操る姿を見つけた。

「親父さんの頼みなら断れんな」
快く頷いた佐竹衆が差し出したのは――縄文時代の石斧。

土の奥からよみがえる古代の記憶と、新しく芽吹く未来の種。
この土地は昔も今も、人が暮らし続けてきた住みよい場所なのだ。

そして今、俺たちの手で新しい畑が始まろうとしている――。

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