『ウンネフェル』と『フォアシュテルング』に共通する、“物語が短い”という欠点を補うついでに、
共通の続編ってことにしてクロスオーバーにしちゃった作品。
ア◯ンジャーズ的なヒーローチームをやりたかったけどメンバーが少ない!!
主人公ふたりを突き合わせてみたところ、
死んでしまったことを後悔している少女と、人生に嫌気が差しながらも生きている少年、という対比になっていたのがラッキーで、
ストーリーを組み立てやすかったです。
それぞれの前作で盛り込みきれなかった要素をまあまあ活用できたとも思っています。
クライマックスまで書き上げたあたりで、『銀河鉄道の夜』にストーリーの一部が似ていると気づいたので、本編にそのアイデアを採り入れましたが、
もともと宮沢賢治をオマージュしようと意図したわけではなく、
エジプト神話における“遠方の女神”(遠くへ行ってしまった女神を連れ戻す)というシチュエーションを意識していました。
ただし、「人間の幸せなんてちっぽけなものでいい」というテツヤのセリフは、
宮沢賢治が言う「ほんとうのさいわいとは何だろう?」への解答のつもりです。
(あくまでも“テツヤの思考回路から出たセリフ”ですが)
自己犠牲みたいな大層なことを持ち出さなくたって、日常のちょっとした幸せがあれば人間にはじゅうぶんですよ。
……『銀河鉄道の夜』は良いぞ。原作もアニメも。