章区分
第1話〜第5話:『エーミール学院編』
第6話〜第9話:『紫蛇編』
第10話〜最終話:『白竜事変編』
第1話『裏』
・この話、というか裏の序盤は特に「俺TUEEEEE!」にならないように意識して書いた記憶がある。
・貴族のプライド周りの話はベタベタすぎてもっと工夫すればよかったなとか思う。当時はまだ色々な方面に意識が向いてなかったのだとは思うが、これも原文時代にやりたかったことの名残りとかなのかもしれない。
・この話に限ったことでは無いが、裏は全体的に表ありきで書かれている。第1話でさらっとアルティスが回復魔法を使ったり、この後は結界術とかS級モンスターとか魔拳とかも。裏のストーリーが希薄になってしまった原因は、表と比較した時に「あれ? 裏ってインフレやばくね?」っていうのを狙ったからかもしれない。
・最終話後に読み返すとアルティスめっちゃ暗いな。
第2話『エーミール学院 前編』
・裏の中で唯一ストーリーのあるエーミール学院編であるが、魔法祭の設定は完全に失敗だったと思う。元々冒険者の育成機関だったことを差し引いても、小学生が魔法で戦う行事ってのはちょっと……
・このぐらいの時期のアルティスとクリスの関係は割と好み。もうちょっと書けばよかったなと思いつつもグダる引き伸ばしにしかならないのでやっぱり却下。
・クリスの男嫌いの描写も入れたかったが難しかった。原文時代に出てきた「ツンデレお嬢」と言うあだ名がお気に入りで使いたいと思っていたのだが、男嫌い描写がないとあんまり説得力無かったかも。
・ミレープの名前の由来はミルクレープ。基本モブは名前出さないようにしてるけどなんで出てるんだろ。
・この頃の小説を読み返すと、少しだけど確実な文章力の向上を感じる。まあスタイルが変わったりもあるだろうけど、この頃は地の文の空気感が緩い感じがする。
第3話『エーミール学院 後編』
・改めて見ると大して戦いの経験が無いビージャ達に対してアルティスが過剰戦力過ぎる。この時点でもアルティスはB級冒険者並みの実力あるだろうし、どう転んでもアルティス側が負ける未来が見えない。
・魔力感知の仕組みはちゃんとあるのだが、色々な事情でキャラクターの発言や地の文で説明ができない。表のストーリーを待つべし。
・スネークが火球にやられるシーン、当初はそれで気絶させていた記憶がある。けど「学校行事で生徒が気絶ってどうなの……?」となり変更した。無駄な足掻きよ小童。
・この話に出てくる「あまりに咄嗟の思考故……その思考が言語を纏ったのは、“事が起こった”後だった。」って描写……というか状況はかなりお気に入り。何かを閃く時ってまずニュアンスが先に出てきて、後から脳内で言語化するじゃないですか? これ『咄嗟』という言葉に凄く親和性があると思うのですよ。凄い速度で殺し合う対の世界では結構多用すると思う。
・「クソッ、魔力感知を怠るんじゃなかったな……‼︎」というアルティスの台詞は、各話感想を書くために読み返していた時に加筆したもの。魔力感知ができるアルティスが敵の位置を把握できていなかったことの辻褄合わせ。
第4話『クリス・レート』
・ダイロ大陸の由来は台所。
・アトアミナ(Atamina)の由来はまな板(manaita)のアナグラム。
・アルティスとクリスってストレートな恋愛描写ほとんど無いけど、これに関しては正解だったと思う。心理描写超苦手だし。
・クリスのデレが出始めるこの話は結構好き。
第5話『楽しき学校生活の終わり」
・ちなみに、『7月にクリス達と劇団を見に行った』と描写されているけど、スネークくんは一緒に来てくれませんでした。さみしい!
・そういえばアルティスの読書好き設定は原文時代ではデフォルトで備わってた気がする。何故劇団鑑賞後にこの設定が付いたのかは謎です。
・言わなくても分かるかもしれないけど、ウィルリーの連れ2人は紫蛇にちゃんと殺されています。
・この話はほとんどぶっつけ本番で書いてた記憶がある。クリスが誰かのせいで傷つく、アルティスがそいつをボコボコにする、アルティスが退学になる、という流れは決まっていたのだが、アルティスがイキった奴にならないよう展開に詰まった。
第6話『初任務』
・イシノシシという名前の初出は原文時代。まだ対の世界がそこまでダークではなかった頃に出た名前なので比較的ファンタジー感が強い。
・原文時代に書いていたのはここまで。ここから紫蛇編と白竜事変編をどうしようかというタイミングで止まった。けどあのまま書き続けてたら今よりかなり未熟な状態で進めてたから中断されてよかったと思う。
第7話『紫蛇①』
・裏では表で早期に登場した魔物を意識して登場させている。エーミール学院編の赤狼やこの話のフラウド、あとは後の白竜も表とリンクしている。隠すことでも無いので言ってしまうのだが、表では後に『ビフォーレジェンド』の内容も書くので、白竜は黒竜との対比。あとS級モンスターは数が少ないのであわよくば全部出したいという欲もある。
・ボートの戦闘シーンが若干物足りなく感じるな。この後ボートが噛ませのようなポジションになっちゃうから、もう少し強さを魅せるシーンにすればよかった。
・ボートが空中でフラウドをバラバラにして吹き飛ばすシーンは、ドラゴンボールのトランクスがフリーザを倒すシーンのオマージュ。
第8話『紫蛇②』
・アルティスが森を炎の鞭で高速移動するシーンは進撃の巨人の立体機動装置のイメージ。魔力が濃い土地の森自体巨大樹の森みたいなものだし。
・この時A級冒険者が投げた刀は、後にアルティスが発見し、使用しています。そしてこれは白竜事変編を書いている時に思いついた後付け設定です。
・スネークやビージャの名前はこの話のために付けたので、それを回収できてこの話は書いてて楽しかった記憶。大規模な戦闘って戦いざバトル開始! ぐらいの場面もまた熱いよね。
第9話『紫蛇③』
・この話を書く前にハンターハンターのキメラアント編、宮殿突入辺りを読み返してて執筆スイッチが入っていた記憶がある。ハンターハンター、呪術廻戦とかは読むと創作意欲が湧いてくる。
・本編で触れようと思ったけど出来なかったのでここで言うけど、アルティスは戦って追い詰められると口が悪くなります。
・ストーリーの都合上、クリスはアルティスに守られることが多いのだが、昨今は守られるヒロインより一緒に戦うヒロインが好まれる傾向がある。加えて守られるヒロインはなんでか嫌われやすい傾向すらあるとも感じており、故に第1話から読者がクリスにヘイトを向けないよう意識して書いている。この話はその最たる例なのだが、うまくできた自信は無い。
・「むしろ錯乱せずに動けてるマフィがおかしいんだ」までのアルティスの台詞は、上記のようにクリスを擁護するために作ったのだが、錯乱せずに動けてるマフィがおかしいのはその通りだと思う。マフィ冒険者の素質あるよ。
・アルティスが途中で放った30メートルほどの火球はフル段階の魔法です。本来そこそこ上位のA級冒険者が使う魔法なので、14歳で使えてるアルティスは化け物以外の何者でも無いですね。
・「……僕は生きて、また見たい……クリスが笑って、今を幸せだと思えている瞬間を……‼︎」この台詞は何回か書き直したような、ぼんやりとした記憶がある。アルティスがクリスを大切に思っていることが分かって、でも告白にはならないようにして、といい塩梅の台詞を考えられたと思う。
第10話『ボート・アルフォート』
・表との対比のためにこのタイトルにしたけど、展開が思いつかずに手こずった話。結局ボートの掘り下げの話になったけど、それも深い所までできてない……
・裏と表の時系列を明らかにするのは最終話にしたいという願望から、この話では解放暦を使うことができなかった。『とある年』という言い回しがあるのはそれが理由。
・「……ただ、そうするべきだと思ったし、そうしたいと思った」というセリフは、マフィがギルドに就職したのは義務感だけじゃないよ、というのを伝えるために作った。元々マフィはエーミール学院編のみのキャラのはずだったのに、気づけば作者が結構気に入っていた。けど思えばマフィって最初からそこそこ美味しいポジションにいたな。
第11話『対特別指定魔物討伐特選部隊』
・S級特選部隊は当初12人の予定だったのだが、パワーバランスとキャラクター数を鑑みて7人にした。
・7人に減らしてもS級特選部隊の扱いはかなり悩んだ。読者が表を読んでいたと仮定しても4人がポッと出だし、尺の関係で全員活躍させるのは無理だし……結果皆1回ずつ見せ場がある、という形になった。
・これは表の完結後各話感想で書こうと思っていたことなのだが、第19話や第39話でロスマンを強くしすぎてその後の展開に頭を悩ませていたという裏話がある。裏のこの話でそれが余計に加速してしまい、私は見事撃沈したのだ。
第12話『交流』
・このさあいざ白竜事変! というタイミングで、私はこの先3話ではストーリーが作れないことに気がついた。遅い。
・なんか最初の方チドイラの口調が違う気がする。老人というか昔の口調を正しく書く自信が無くてそういうのは避けてるはずなんだけどな……まあその意識が芽生えたのがこの話なのかも。
・レメンは変わった武器を使っているという風にしたくて、槍に長さ以外に管槍という設定を加えたけどその後ほとんど活用されなかった。
第13話『白竜事変①』
・序盤の地の文はハンターハンター味がある。多分書く前に読んだな?
・アルティスの初手の火球はワールドトリガーの射手イメージ。この話を書いていたのは丁度ワールドトリガーを読み進めてた時期かもしれない。
・書いてる時はかなり時間がかかった記憶があるけど、読み返すとそこそこ上手くバトルが書けてる気がする。
・けど文字数の割にバトル自体は素早く終わってるな。まあアルティスとチドイラが組んでるんだから早く終わるのは当然っちゃ当然だけど……まあ長すぎても退屈するし良しとしようそうしよう。
第14話『白竜事変②』
・正直めちゃくちゃ書きづらかった話。
・私はそれこそ竜のような、人外と人との戦闘が苦手で、さらに扱い辛いS級特選部隊が戦うもんだから相当頭を悩ませた。
・ボートのブレスサーフィンを筆頭に、私は実力者に癖のある戦い方をさせる節がある。暇な時間にこういうクレバーな戦闘シーンを考えるの好き。
・S級特選部隊は1回ずつ見せ場があると前述したが、デスパーだけは見せ場とも言えないような描写1つになってしまった……ま、彼は表の方で活躍してもらう予定なので。
第15話『白竜事変③』
・対の世界における魔法の詠唱は単語の羅列であまり長くはならないから、強者が使う詠唱の長い魔法はカッコよく見える。
・やっぱ上裸で戦うのいいよね。ね?
・強者同士の戦闘だと空中での戦闘シーンがあったりするけど、作者としては描写が難しいからあんまやってほしくない。
・天成拳の名前はかなり悩んで決めた。植物や自然に関する漢字を並べてそれっぽくしても、響きがいまいちだったり、単純に字面がダサかったり……結局シンプルイズベスト的な名前になった。
・読み返して思ったけど短いかな……いや短いと感じるだけなのか……? 裏におけるラスボス戦だしもうちょっと長くしてもよかったんだけど、各話のタイトルを表に合わせないといけない都合上この1話だけで終わらせないといけないから……1話だけ2、3万字にするのもね……
最終話『星空の下で』
・なにぶん10万字以上の長編小説を完結させるのが初めてで、最終話なのに最終話感がでずにちょっと手こずった。
・白竜事変が死傷者0人で終結したせいで、表のキャラクター達に求められる活躍がインフレしそうで怖い。いや、ほら、白竜事変は敵が民間人襲わなかったから!
・最終話はアルティスがS級になることと、表との時系列が判明する記録が出ることだけが決まっていて、具体的にどう締めるかは決まっていなかった。
・表の最終回との擦り合わせを色々行った結果、急遽クリスとマフィが登場してあのような結末となった。
・クリスは紫蛇の件以来精神的に壊れかけていて、当初はそのままフェードアウトだったので多分当初のままだとクリスがどうなったのかモヤモヤが残ったと思う。結果的に出してよかった。
・表を読まずにここまで辿り着いた方は中々いないとは思いますが、もしいれば是非表の方も読んでみてください。
・はてさて、表の最終回が投稿されるのは何年後になることやら。