タイトル：無限機関（パーペチュアル・ドロップ）
2042年。超国家企業《トーラス・エンジニアリング》が開発した個人用時空間収納装置「アイテムボックスMk.III」は、重量無視、時間凍結、非慣性固定といった驚異の機能を実装し、一般家庭にまで普及し始めていた。
だが、その便利さの裏で、一部の科学者たちは眉をひそめていた。
ある日、大学講師の秋月玲は、匿名で送られてきた論文草稿を目にする。
タイトルは「重力ポテンシャルの抜け穴と非保存エネルギーの利用可能性」。
そこにはこう書かれていた。
>「質量100kgの鉛球を、地表（標高0m）でアイテムボックスに収納し、標高500mの地点で取り出す。ボックスは内部で重力の影響を受けないため、取り出した瞬間、鉛球は重力ポテンシャルを“無料で”獲得する。」
論文は、その位置エネルギーを繰り返し利用すれば、理論的に無限の電力を取り出すことができると結論づけていた。
そして驚くべきことに、それがすでに実用化段階にあるという。
玲は知人の地質物理学者・三雲とともに、論文の出所を追った。その結果、アルプス山脈の地下で《トーラス》が密かに「パーペチュアル・ドロップ・ステーション」と呼ばれる施設を建造していることが判明する。
その装置は、地表から地下深くまでエレベーターで鉛球を下ろし、そこで収納し、山頂にて再度取り出すことで、重力ポテンシャル差を“生産”していた。
いわば、重力を騙す無限機関——物理法則を冒涜する装置だった。
三雲は怒りをあらわにする。
「これはもはや文明への裏切りだ。エネルギー保存則は自然界の言葉だ。それを破れば、代償は計り知れない。」
玲は迷っていた。科学者として、告発すべきなのは当然だった。しかし一方で、この装置が人類のエネルギー問題を解決する可能性もあった。原発も火力も不要になる未来がそこにあるかもしれない。
しかしある日、ステーションで事故が起きた。連続して取り出された鉛球が、質量と高度差のバランスにより、周囲の空間に異常な重力波を発生させ、近隣の小村が地滑りに呑まれたのだ。
玲は決意する。
「これはもはやエネルギーの問題じゃない。世界の基礎が壊されようとしてる」
彼女は科学者たちを集め、内部告発と技術封印のプロジェクトを立ち上げる。
そして最後にこう語った。
>「自然の法則に穴があったとしても、それを利用していいとは限らない。私たちは、ただの抜け道を、世界の地図にしてはいけない。」
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これはゲームのアイテムボックスみたいな物があった場合にエネルギーの保存則が破れるのではといった質問を入れてChatGPTに書いてもらったストーリー。永久機関が実現すると言う設定はＳＦではありがちで、お話としてもいまいちかな。