明けましておめでとうございます。今年の一発目となる近況報告は「読書完了(通称:読了)」報告とレビュー等で書けなかった感想となります。
今回読ませていただいたのは『偽聖女と断罪されて婚約破棄の上国外追放された私は、何故か隣国の王女様に溺愛されています。』という作品です。
ジャンルとしてはタイトル通り、異世界ファンタジー系の百合系作品になります。
本作は検索ワード「異世界ファンタジー」、「百合」において、週間ランキングに乗っていた作品となります。
内容としては、偽聖女として断罪されたアンジェが、数少ない友達であり、隣国のシャルロット(王女)様に溺愛され、少しずつ変わって行く作品内容となっています。百合濃度も高めでありながら心理描写がきめ細かに描かれていて、楽しめる作品となっています。
また、冒頭の内容は物語の進行設定を分かりやすくするために地の文(セリフ外)で
サラサラと説明されており、物語に浸透する形で世界観の定義づけが行われています。これは読者としては嬉しい側面だと思います。
併せてシャルロット様の暴走――アンジェへの溺愛は引くくらいに凄まじいので百合系がお好きな方には凄く、お勧めかと思います。
そして、ここからは主観感想を述べさせてもらいます。
この作品の読了を終えて私個人が一番、思ったのが『百合作品ではあるけれども訴えかけられたような、考えさせられたような充実感があった』という点です。
物語の流れで『偽聖女として断罪されたアンジェが辛い立ち位置で、シャルロットに溺愛されていく』訳なのですが、その過程でアンジェが悩みを抱えていきます。その悩みが、私個人としては「訴えかけられたような、考えさせられた内容」でした。
特に自分が刺さったのは第37話でした。
その内容を説明するために簡単に物語の内容を整理すると。
「偽聖女として帝国で断罪された真の聖女のアンジェは今まで聖女の力で多くの人を救ってきたけれども、その力も封印されてシャルロットたちと共に王国へ。
王国に着いたシャルロットとアンジェは、女王(シャルロットの母親)の前で婚約を宣言するのですが、女王からは「民を守り、導くのが王族の役目。それを果たせるからこそ、王族は彼ら彼女らからあがめられるの。そのために、貴女には何ができるのかしら?」と問われてしまいます。
そこから「できること」を探すため、アンジェはいろんなことをやって行くのですが、アンジェは「自分を救ってくれたシャルロットを、愛する者を守りたい。でも、自分には聖女の力しかない、でも、使えないから……」と必死に葛藤をします。
その後、いろんな体験をしつつ、最終盤でアンジェがシャルロットにこう、打ち明けるのです。
「やりたいことよりやるべきことを、自分のことより誰かのことをずっと選んでるうちに、いつの間にか私の世界の中心は私じゃなくなってたみたいです。……シルヴィちゃんに『楽しいって感じたことある?』って聞かれて、はじめて気づきました」と――。
このセリフを見て「あぁ、そうか。人生って楽しむためにあるよね」って。改めて気付かされたというか……ハッとさせられました。
このように、この作品内では「誰も彼もが一度は経験していないかな?」と感じるような劣等感を考えさせつつも、本命である破天荒な百合(シャルロットの暴走)を楽しめるのではないかなと考えています。
気になった方は、ぜひ一度読んでみて頂ければと思います。
作品URL:
https://kakuyomu.jp/works/16818093078373122440