「登場人物として文章が書けないものか」
うんうん唸りながら、僕はその能力について考えていました。
自分のコトバとして語ることが出来たら遅筆な筆も少しは進むだろう。そんな淡い期待を抱いて「なりきり」について考えていたのです。
するとですね。目の前にキノコがばっと現れました。
今、連載中の小説でもキノコが良く出てくるのでね、キノコがぴょこっと生えました。
「いやいや、いくらなりきるったって菌類にはなれないよ」
すぐにそう鼻で笑い飛ばしました。
「んー、じゃあ哺乳類ならいけるのかな?」
そこで、昔、飼っていたゴールデンレトリバーが目に浮かんだのですよね。
あんな可愛い子になれたらなぁ、という願望は昔からあったのでやってみる価値はある。と決意してやってみたのです。
すると不思議、ずぶずぶと泥沼に入っていきました。
「ちょっと待てよ、『犬である』ってどういうことなんだ?」
昔読んだ『コウモリであるとはどのようなことか』という記事が朧気ながら浮かび、そのまま深い海に沈んでいくようでした。
「言葉を持たないんだから、このように考える意識すら異なるはずだよなぁ」
僕は結論の出ないまま、水を得た魚のように文字を書き始めます。
だって、結論なんていらないって気付いちゃったもの。
オチはまさかの少年ジャンプ。
ジャンプしすぎて、本人でさえ着地点が読めませんでした。
とりとめのない思いの随に
第80回 なりきり型執筆法
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888425664/episodes/1177354054889903789