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小説より奇なりすぎる日常について

 私に書けるものはほとんどが誰かの──主に私の──経験をもとにしたものだ。
 無論、個人が特定できないよう、そして面白みが増すように虚構は含んでいるが、これまでの人生を振り返っても完全に架空の話は一度として書いたことがないように思う。

 さて、先日のことだ。
私にはもともと時限付きの妹がいた。今年の頭にその時限を迎えて無事(?)他人になったわけだが。
 つい先日、妹からLINEをブロックされた。
本当はそうなる前に彼女を題材にした小説を書き上げたかった。あの子に見てほしかった。
筆も進めてはいたのだが、仕事に追われているうちに手が止まってしまい、結局間に合わなかった。
二度と彼女に届くことはなくなってしまった。

 それでもこうして、私の書くものが事実に基づくと示しておくことで。
それを誰か一人にでも読んでもらうことで。
私とあの子の時間は無駄にはならないと信じたい。
あの子との日々を無駄にしないために、生きていきたい。
 誰にも届かない贈り物を贈ることが、これからの私の使命である。

祈りと覚悟を込めて。
指野光香

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