「その紫音さん⋯⋯ちょっとお願いが。 キッチンを貸してもらえないかしら?」
「あれ、るーちゃんだけ? ひとりで来るのは珍しね」
「その⋯⋯ね。 今日バレンタインじゃない? だから⋯⋯その、ね」
「ああ! チョコ作るんだ、あっ君に!」
「べ! べつにアリスケ君にとは言ってないわ!」
「⋯⋯いいけどさ、私も作る」
「っく⋯⋯仕方ないわね」
この日アリスケは初めて姉と母以外の女の子たちからチョコをもらったのであった!
「その⋯⋯義理よ、義理なんだからねアリスケ君!」
「へへ~私からもチョコだよ~」
「聞きましたよ! 今日チョコをアリスにあげると来月3倍にしてもらえるそうですね!」
「おうアリスケ! この優しいお姉様からのチョコだぞ喜べよな!」
「あ~ん真樹奈♡ 私のチョコを食べて♡」
「こ⋯⋯こんなにたくさん!僕、 来月破産する!?」
