世間知らずで出不精、お家がいちばん落ち着くタイプのワシです。物語のメインはたいていお布団と頭の中で考えて書いております。
ところが取材となると、とたんに妙な行動力だけは出るほうです。
『勇者04』の第四幕から舞台になる予定の、市ヶ谷あたりも、機会ができそうなので情勢が変わんなかったら来年はじめに行ってきます。
現在連載中の第三幕で舞台にした警視庁新宿警察署でのエピソードも、むかしからのご縁でお世話になっている方から聞かせてもらった話のうち、「この範囲なら書いていいよ」と言っていただけたところどうしを、フィクションという触媒でまぜあわせて書いています。
守秘義務にかかわる部分や、出さないほうがいいなとこちらで判断した内容は、きちんと伏せたり、別の階や描写に置きかえたりしてありますが。細部に神は宿るといいます。現場にいた人の言葉には公開資料から読み取れない生活感があるんですよね。
このさきも、警察や自衛隊まわりをはじめ、いろいろな省庁や部隊の(タテマエではない)現場での運用が物語の中に顔を出す予定です。第三幕のラストから登場する特殊作戦群もアマチュア作品とはいえ世の中に、その舞台裏の話が出てくるのは、わりと珍しいことかもしれません。
とはいえ、実在の部隊の装備や運用をそのまま暴露するようなことはせず、映画やドラマで見かけるくらいのラインにおさえながら、過去にあった部隊内のエピソードをおかりして細部はフィクションとして再構成しています。
出不精なワシの人生の中で、ひとつだけ続けてきた、とある趣味のご縁があります。
ふだんは社会の表に出ないインフラの裏側で、静かに平和と日常をささえている人たちと知り合えたのは、そのおかげです。
そこで聞いたり、あらためて聴きに行ったりした話の中から、心に残ったエピソードや、ここは世の中の人に知って欲しいと思った彼らの想いや悲喜交々を、この作品のあちこちに、すこしずつ、そしてさりげなく出せたらいいなと思っています。
派手な映画やドラマや漫画の中では、彼らはどうしても主人公の引き立て役。噛ませ犬みたいな扱いになりがちです。
だからこそテンプレファンタジーの反対をすべてやることをコンセプトにしたこの『勇者04』では、そういう裏方の、ふつうのおっさんたちの胸の中にある熱くて泥臭いかっこよさを書けたらいいなあとおもっています。
さて。そんな作品。
『勇者04──防衛省異世界対策室の少年』
第14話 ニームの狙い
https://kakuyomu.jp/works/822139840201120634/episodes/822139841952812525銃器対策部隊登場です。
本日も公開しています。よかったらご覧ください✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。