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対談前夜の端書き

以前かわしていた「一回お話ししましょう」の約束を果たす日がきました。

藤さんの企画されている劇人DIG、すごい楽しみに拝見(拝聴)してます。
きっちりヒストリーテイキングと分析されてるのが好感が持てますよね。
今回の対談ではいつものような進行で行くのか、あるいは別の何かになるのかはホストである彼にお任せさせていただいたので今からドキドキです。

とはいえ私は演者ではないので、芝居論とかを語る権利がない。
では何を対談するかというと、対談の焦点は「声劇の作用とは?」あたりに帰着するのではないかと想定しています。

私自身かつて声劇というコンテンツがより活性化し、色々なジャンルと交配してどんどん広がっていったらいいのになあなどと考えていたクチです。

その気持ちがまるっきりなくなってしまったわけではないのですが、今はどちらかというと、内に中にジンワリと広がっていく作用でもいいのではないかと思うようになりました。

拡大していくことばかりが進歩じゃなく、一人の演者と一人の演者の交流の中にそれぞれがつながっている人や団体に何かしらの影響というのは、それこそかすかなバタフライエフェクト程度でも、起こると思うのです。

芸術の作用とはむしろ『それ』なんじゃないかなと思っています。

見慣れたはずの帰路の夕日がこんなにも綺麗なことに気づいた瞬間のクオリアは酒を飲んでも金を積んでもなかなか得られるもんじゃありませんぜ。

そういうものを、ごくありきたりな言葉のやり取りで得られるのだとしたら、声劇はもうそれだけで十分な作用があると私は思います。

思うに、舞台に上がらないが故の魔法というものがあるのです。
四月二日は拙作『屠殺』の気分で臨みます。

自己否定と自己嫌悪の塊から、するりと別の何かが出てきたときの感覚を、みなさまにお裾分けできたら幸甚です。

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