「親子の愛情 短編」を含む小説

焦げた卵焼きの匂いが、ふと記憶をほどいた。 言葉にできなかった想いは、弁当箱の中に残っていたのかもしれない。 語られなかった時間を抱えたまま、生きていく家族の物語。

朝のキッチンで焼けるパンの香り。 ママが心をこめて作った「まるいサンドイッチ」は、 遠足へ向かうユイちゃんに、あたたかな勇気をくれました。 お友だちと笑い合う時間。 ひと口食べ…

病室で眠り続ける少女・あや。 意識が薄れていく中、 ふと目を覚ますと、そこは懐かしい自分の部屋だった。 母がおはようと挨拶する。 ——もう一度、日常に戻れたんだ。そう思った。…

ぼくはハムスターのピョン太を飼っています。

　会社員の筒賀島 義則(つつがしま よしのり)には、最近悩みの種があった。それは最愛の妻の遺した愛娘・真帆(まほ)の愛情表現が過激になってきているもの。 　過激といっても色気のあ…

歳を取って息子から施設に入るように勧められる父親の心境と親父であるということが年代を追うごとに変わってくること、そして、年代を追っても変わらないモノを描いた短編ものです。

とある母親の語りです。二〇二一年夏ならではのお話。 短いので簡単に読めます。隙間時間にでもお読みください。

　カーリーは銃声で昼寝から覚めた。 　ふと一緒に寝ていたはずの息子たちの姿がないことに気づく。再び銃声が聞こえ、カーリーは一目散に町の境へと駆け出した。 　走り寄ってくる息子たち…