「失ってから 寂しい」を含む小説

これは三人の作家が挑んだ、物語の答え。(※初リレー小説) その朝。酔って帰った自宅で真波が目を覚ますと、得体のしれない何かが台所に立っていた。 白銀の毛皮に、猫のような耳と尻尾…

大切な記憶を失った花精霊に一人の冒険者は誓った。 「痕跡を探します」 不安が取り除けないなら何度でも誓うと言った。 「帰ったら冒険の話をします」 自身の記録を遺してもらうため…

「いつかこの子を失って、どうしようもなく寂しい日が訪れるなら……」 わたしは彼と恋人をやめた。生きる時間が違うから、いつかの別れが寂しくないようにと。でもその理由は言えてない。わ…

人生には何かしらの分岐点があり、それが始まりなのか、終わりかは分からない。 出会いもあれば、終わりもある。その時のその答えが、あなたにとっての正解。それがあなたにとって大切な人で…

体の一部を切断する。それは人が体験しうる最高の悲劇のひとつ。金もなく家族もない寂しい男が、そんな悲しみの中で人間のすばらしさを実感し、社会生活に帰っていく物語。

今を遡ること５百年前に日本から転移してきた伝説的な３人の英雄がこの世界に存在していた。その子孫であるトシヤ＝アマギ。所属するパーティーを探していた彼はギルドマスターの推薦で現在の…

樺太に生まれ、樺太に育ち、そして樺太に骨を埋めるつもりでいた私にとって“樺太”という言葉は異様な程の懐かしさをもって響いてくる。 四十五万島民が堂々として開拓に努め、その一木一…

高校の窓から冬の日差しが差し込む教室で、私、垂水姫華はいつものようにのんびりと過ごしていました。両親を失った過去があるせいか、人と深く関わることを避けていて、ちょっと寂しいけど穏…

下校途中に寄った公園で、珍しいトカゲを追いかけた凛（１３）は、異世界に引き込まれた。 転移した先は、落城直後の城の中。そして侵略してきた連中は、この国の皇子を探しているという。（…

なずなは、人の心を読む事が出来る力を持つ事以外はごく一般的な中学生。 彼女は幼い頃から不思議な夢を見ていた。天高く聳える搭に、氷柱の中に囚われて眠る少年。その子を助けようとする自…

主人公の男子高校生・祭（さい）はバレンタインデーに幼馴染の奈津美から チョコレートを貰い告白をされる。 長く想いあった二人が結ばれた幸せな時間。 しかしそれは最悪のループ地獄のス…

「結婚して欲しい」。赤いバラを差し出しひざまずいて求婚してくるのは嘗ての婚約者ヘンリー・スーザン子爵。淡い初恋の思い出と共に苦い記憶が蘇る。そもそも元婚約者は既婚者。 え！？離婚…

世界的パンデミックを起こした新型コロナウィルス。それによって、安田康夫（ヤスダヤスオ）は職を失った。突然変わってしまった世界に、何の準備もしておらず、置いていかれ、貧困に喘いでい…

　仕事が終わり行くあてのないことに気づいた俺はただ東京の寂しい摩天楼を歩いている。往来する人間は皆、無くした何かを求めさすらっているかの様に見えてしまう。かく言う俺も何かを失って…

気まぐれな猫が、三組の人間を結びつけていく。 事故により息子夫婦と孫を失った老婆、世志乃(よしの)。寂しい生活に身を置き、何の楽しみもなく、生の惰性で暮らしている。そんな折、庭…

　――目が覚めると、記憶と感情を失っていた。 　見知らぬ場所で目覚めた記憶喪失の青年・怜は、同じくその場所で目覚めたという青年・恒輔と怜の飼い猫だというニャー太と出会う。人気のな…

３ 「う……ん…………あ……れ、此処……は？」 　仰向けで倒れていた私の視界を支配していたのは辺り一面の霧だった。 　ゆっくりと身体を起こしてみるも、まだはっきりとしない頭と、…

夜だけ開店する花屋を営む来栖。その正体は、吸血鬼だった。 吸血鬼は生き血をすするため、人間からは受け入れてもらえない存在。正体を知られ町を追い出された来栖の傷付いた心を癒したのは…