「ありふれた奇跡」を含む小説

「この人こそが運命だ」と燃え上がったはずの気持ちが、気づけば色褪せてしまう。手に入れた瞬間に魔法が解けるように、あれほど焦がれた相手に興味を失ってしまう。そんな、線香花火のように…

五分後に雨が上がったら、発射台に虹がかかるかもしれない。 大勢の人が、大切な人と同じピクニックシートを分け合って、同じ方角を眺めている。 発射の時間が近づくにつれて、それらの眼差…

とある森に住まう一家の母親は眠れない子供たちのために、一冊の童話を読み聞かせることにした。 ルプランス王国王女、アンブラことアンは自分の生まれ持った力に悩まされていた。周囲か…

交差点で向き合った男と女、それぞれの思いが交錯する。 そこにはある奇跡が。でもその奇跡は、あまりにもありふれた物だった。