「​円城塔賞」を含む小説

　孤独な少年、赤崎翔太。彼はある日、不思議な力を持った神さまと出会う。悪霊を対峙する退魔師をやってみないかと誘われ、翔太は火の精霊サラマンダーと契約する。 　別れを告げる決別の物…

わたしとわたしはいつとも思い出せない昔にテラをあとにしてから、ふたりだけで暗い宇宙を旅してきた。旅の途中で小さな生命を宿す小さな魔方陣や魔方陣になりきれていない方陣を目撃する。そ…

月面のライブ映像に移り込んだ奇妙な物体を巡って出会った二人。 理想をかがける彼女のまぶしい姿と、現実にあえぐ自らのアンバランスさに迷いながら、一歩一歩進んでいく。 夢の実現を…

年末、実家に帰省していたミステリーオタクの大学生、市川　屯（いちかわ　とん）が、SF映画を見ていると、近所のお婆さんが息を荒らげ、彼の実家の玄関に駆け入ってきた。突然の来客に驚く…

滅亡した人類のために火星で開拓を続けながら待ち続けるＰ１１３号は、ある日、新しい人類の作るというＰ１１２号の退屈しのぎに付き合わされ──

社会学の実験として作り上げた架空の女子学生、大神五月が現実にあらわれた。 それは誰の仕業だ

『喋れるかただそれだけで生き死にを決める奴が人の心を語るな』 　Mēdeiaという歌人の短歌がネットを駆け巡ったのは、高崎市内の障害者施設「藍光園」で利用者25人が殺傷される事…

ドラッグと資本主義に絡め取られた未開の村に、とある奇術師が手品を見せに来た。マジシャンは手品をいくつか披露し、村民はたちまち夢中になった。やがて村の人々は手品を真似、マジックの番…

補習を終えて帰宅途中で、クラスの地味系女子を見かけた。 彼女のことはなんとも思ってないというか、なんの意識もしてなかったはずなのに月の光の下で見た彼女の姿は、とてもキレイで……。…

「カクヨムWeb小説短編賞2023」・「円城塔賞」参加作品。

その音は、呪いか、よだれか。 地獄の過疎化を救うため、人間界へ送り込まれた少女・瑠璃（るり）。 彼女は、地獄の学び舎を首席で卒業した「呪いのエリート」。 その使命はただ一つ。現…

ボクはいじめられていた。 憧れの白ギャルちゃんも、いじめっ子の彼女になっていて、絶望に打ちひしがれていた。 だけど、調子に乗ったいじめっ子がとんでもないことを言った。 「も…

　言語学者のダミュエル・ストローフラワー教授は、三十代で亡くなった教え子の女性の葬式から帰ってきた夜、髪の毛が青白く光る男の子の訪問を受ける。その正体は、先日亡くなった教え子とと…

「私ね、おまんじゅうとカップ酒が怖いの」 友人の望月とコンビニに買い出しに行った帰り、彼女は小学校２年生の時のトラウマになった出来事を語り始めた。それは立派な怪談だった。 ※…

あの女を抱くといいことがある。 そう噂される女は浴びるほどの香水をつけていた。 女の歩んだ人生とは