「未来の文学」を含む小説

世界中で人口増加がストップした！ 徐々に始まった出産率低下は、ここ数百年で一気に無限小、零パーセントへと移行し更新を続けて、はや二十幾年。 原因や要因は未だ解明されないまま時は…

大戦によって農業大国となった近未来の日本で「四日市」は屈指の農業都市だった。 そこで生きる青年「松場」は、いち農業者としての代わり映えしない生活にどこか生きづらさを感じていた。 …

湖の畔の白い小さな家。 その家の住人は既になく、長い年月の末、廃墟となっていた。 そんな廃墟で主の帰りを待つものがいた。 軋む体で精一杯、『お帰りなさい』と伝えるために、…

おれは「トラ」。路上でインチキ霊媒師をしている。 堅苦しい月給取りはむかないし（つうか無理だし）、ノマド的な生活は慣れっこだから構わない。海のものとも山のものともつかないし、馬の…

　アンドロイドである主人公の〝私〟は、作り親である老人に意識を与えられるが、その意識は不完全であり、覚醒するたびに三十秒しか続かない。しかし、その三十秒の間、〝私〟の目に映る世界…

中２の俺は、陰キャゲーマーだった。 そんな俺がコンビニで買い食いしていると……

　何者にもなれない人生に、どこかでケリをつけたかった。 社会に適応できず、生きるうえでの目標も無かった青年がパンデミックをきっかけとして小説家になることを決意する。 しかし、不気…

わかりやすさを求めた挙げ句、省略や行間が失われ何もかもが説明過多になった近未来。 そんな時代においてもはや説明過多は文化。不倫は文化だかどうかは知らない（ソックスレス）。 その影…

２×××年、ディストピアと化した日本は 楽園調整システム『オールド・ワイズ・マン』の支配下にあった―― 本書は「ある未来の文学フリマ東京」において発表された ディストピア・アン…

「新元号は、『日本』であります」

「壁の国は光で満ちていた」 暗闇が排斥された近未来。政府直属の殺し屋として働くQは、無邪気な娼婦エラと出会う。彼女への独占欲を膨らませたQは、エラの買い取りを試みるが……。 …

季節がなくなった200年後の世界で、少年「大矢」は不思議な少女「川原ゆり」に出会う。図書室での秘密の会話や意地悪な彼女の笑顔。無機質なビル群に囲まれる小学校の片隅で彼は初恋を経験…

紀美子は婚活中、これはと言う男、樋口と今日、二回目のデートをしている。彼が始めた「三種類の嘘つき」の話から、二人の関係に変化が始まる。未来に向かうときに通過する焦点となる一日の話。

「白い人」として世界と雨に守られながら生きるウサギ（人名です）とその生活を支えるAIカンリ。ウサギは外のさまざまなことを読書を通じて知っていく中で、守られながら生きる自分に次第に…

　もとはとある「やまない雨」をテーマにしたコンテスト用に書いた短編です（一応、優秀作）☆ 　あえてジャンル分けするとしたら環境科学的SFかな？ 　お題が「やまない雨」ということ…

姉は、弟が入れていた刺青を手掛かりに、行方不明になった弟を探す。彫師のもとに残されていた弟の音声。弟は、常人とは違う時間感覚を持っていた。