「手を繋いで」を含む小説

美咲小春はすべてが順調だった。 私には神様がいるから。 神様にお願いしたら何でも叶えていってくれた。 恋をする、その日までは。

　静かな子なんだ、と思ったのを憶えてる。 　保育園の砂場で、一緒にお城を作ってたのが、最初の記憶。 　私が物心付いたの自体、あの瞬間だったのかもしれない。 　つまり私の主観では、…

高校一年の夜明光留（よあけみつる）は突然、ひょんなことから二年の朝陽華恋（あさひかれん）の下僕となった。 華恋は光留が通う学校の理事長の姪で、頭脳も美貌も校内一と評判のお嬢様だ。…

淡い月灯りの中。 恋する人と。 手を。 繋いで。 影踏み遊び。 生きている実感を。 二人で。 たわむれて。 みませんか。

「断る」 　そう言って俺・小室英次は、幼馴染でありかつての恋人・有栖の寄りを戻そうという頼みを一蹴した。 　今の俺には、将来を約束し合った、入間 碧（いるま　みどり）先輩とい…

3回目お題「秘密」より。 理由あって、将来は彼の婚約者として買われた私。 でも彼はきっと、私のことを好きではない。それは、未来から戻った私だけが知っている――。 そんな中私が熱…

いつも入学式は間に合わなかった拓夢（ひろむ）。 紆余曲折あり新社会人としてみんなと同じスタートラインに立ったと思ったら会社が倒産。 そんな時、隣の家で同期になる予定だった男がぶっ…

十年ぶりに顔を合わせた息子に、亡くなった妻の面影はなく、どことなくいつか遭遇した猫を連想した。

ピピ、ピピ 鳴り止まない電子音を聴きながら、夕映は老爺のしわがれた手をじっと見る。 この手を繋いだら、まだ温かいぬくもりが残っている。 夕映にとって、この人はたった一つの光…

聖女として育てられ、聖女として世界の命運を賭けた儀式に挑むことになったマール。 遠い遠い火山にまで到達したのだけれど、彼女の故郷から幼馴染のリッツが追いかけてきたのだ。

　ひどく暑い夏の日のことだった。 　放課後になっても君の姿が見当たらないので、私は嫌な予感がして学校中を捜して回った。でもどこにもいない。同級生や先生に聞いたりもしたけど、愛…

昼下がりの商店街、あたしたち2人は、手を繋いで歩く。この人生の道行は、イバラだけれども、2人でいちごパフェを食べることはできる。

あの時、手を繋いでいたのが悪いと思うんだけどどうだろう。 これも君に言わせれば僕の……。 手は震えて真っ直ぐな線が引けない。定規どこだっけか。

「仲良しの友達」と「恋人」の境目って何？　大好きな美雪に告白を受け入れてもらえた紗奈。女の子同士だと手を繋いでデートをしても人目が気にならない。それは嬉しいことのはずだけれど、紗…

修学旅行に訪れた高原で、少女は奇妙な霧の中へ迷い込む。 隣には一緒に迷い込んだもう一人の少女。 何も見えない濃霧の中を、二人は手を繋いで歩いていく。 互いの手の感触だけを頼りに。…

多くの男子から嘘告を受ける男勝りな僕の彼女。今日も軽く嘘告を退ける。 そんな彼女も僕の前では手を繋いだだけで赤面する恥ずかしがり屋。付き合って一年、キスもまだしていない。初心な彼…

二人の男女が廃墟の屋上から飛び降りた。 その時に男が願っていたことはもう一度一緒に死んだ女に出逢うことだった。 その願いを神様は叶えたのかどうなのかは、貴方様の目で確かめて見てく…

高校最後の一年を迎える春、私こと翠は幼馴染の陽太が同じ学校に入学してくることを知った。 陽太とは小学校の時に将来のことを約束し合った仲！　なので、普段冷静で落ち着いている私も、思…

高校最後の夏休み 卒業後、俺は東京へ行く。 彼女の幸せを考えるなら。 思いを告げたあの場所で、言うんだ。