「万人向け 純文学」を含む小説

小説家の朝霧タクは、 彼女の莉緒にある日 「花より団子」を今風に言い換えるとしたらどうなるかという宿題を投げかけられる。 ほのぼのした二人が織りなす、ほのぼの恋愛短編ストーリ…

【自宅の最寄り駅に着いても席を立たず、窓の向こうだけを睨んでいれば、いつの間にかこの電車はわたしを東京へ、ここじゃないどこかへ強引に連れて行ってくれるのではないだろうか。わたしは…

【だって、藍里ちゃんは知っていたのだ。何かあるたびそうやって眉間を狭め、眉尻を下げて、申し訳なさそうに小さくなりながら口角を上げるだけで、彼女は自身を圧倒的な弱者として演出できる…

【それはまるで最後まで幽霊みたいだった彼女の呪いだとしか思えず、僕は一度大きく息を吸った。】 幼少期に出会った女の子と決別する健康な男の子の話です。 （別名義で書いていた小説の再…

クラスに一人は、やたら迷路を描いてる奴いましたよね。 っていう話ではあんまりなく、養父と僕の晩年のお話です。 ※なにをもって純文学なのか誰か教えてくだされ……（切実）

「虫」の名前で暗躍する殺し屋たち。彼ら彼女らの目的は金か、復讐か、あるいはただの退屈しのぎか。ターゲットを巡り殺し屋同士が殺し合い、騙し合い、結託し合い、果たして最後に生き残る虫…

【小窓と押し入れのちょうど真ん中、“溝”や“透き間”という響きがよく似合うその三角形に座りながら、狭い台所に立つ先輩の背中を見ているのが好きだった。】 互い、本当の名前も知らない…

【そうなのだ、私は山内くんに女として見られていない。だからこそ山内くんは私に平気で鍵を貸したし、住所だって教えてくれたのだろう。私の知っている山内くんはつまりそういう男の子だった…

【姉はあるときから突如として「私の姉」として私の隣に存在し始めた。】 イマジナリーフレンド、あるいは幻視や幻覚としての「姉」と生きる一人の女の子の話です。 （別名義で書いていた小…

ゆり子は、十三年ぶりに圭吾に再会した。 ――なにかあるかもしれない。 ゆり子は、密かに期待した。 しかし、ゆり子の前に現れた圭吾は、どこか様子がおかしく……。

結末は私にもわかりません

人付き合いが苦手な私の前に現れるようになったのは、さよならの挨拶を交わすだけの女の子。２１回目のさよならの後に……。 KAC20217参加用書き下ろし。宜しくお願いします。

大学生になって初めて好きな人が出来た。 一個上の先輩で、名前は天野　雫。 長くて艶のある黒髪に、天の川みたいに綺麗な瞳が特徴的で、ミステリアスな雰囲気を纏ったクールビューティ…

赤く燃える、灰色の大地 緋色の牡丹と紺色のきみ 走る僕と離れゆくあの子 生き延びるために、走れ 【KAC2021】2回目　「走る」

　ジャック・トリバーは相続した館を巡る。

東京に溶けていく僕を救ってくれた彼女。

何度折れても。始まりを求めて坂道を上る。 思いがけず私はあきらめが悪いみたいだ。

　ある土曜日の朝。私はパソコンを前に頬杖をついていた。活き活きしたキャラが浮かんだので、そのキャラを主人公にした物語を書こうとした。だが思いついた場面を箇条書きで数行書いたら、そ…

ある日、牧野友和は姿を消した。手掛かりはどこにもなく、警察も手詰まり。彼は一体どこに・・・・・・。 彼が消えた”現実世界”では、彼の失踪をきっかけに、大きな歪みが生じてしまう。こ…

かさぶたけしを作ろう