「切ない 現代」を含む小説

気が付くと俺は、この世ならざる場所にいた。 別に驚きはしない。大事なのは順応だ。 唯一意外だったのは、三途の川の手前に一軒の屋台が佇んでいることだった。

　20XX年。現代。地震、洪水、干ばつ、噴火、竜巻…etc. そして、あらゆる人災。何時の世も、何かしらと世界は荒れ狂う。 　そんな地上を見下ろす天上界では、地上の死者の魂を天国…

田舎に伝わるとんぼに纏わる言い伝え、伝説の精霊とんぼの話 お盆にばあちゃんが突然眠るように逝ってしまった。 その葬式後、親族たちと食事の後、田舎のばあちゃん家の縁側で、夜空を…

殺人犯の娘×貴族のお坊ちゃん 幼いころに父が母を殺して塀の中に入った。私を育てたのは母の妹。暴力はなかったけど酒に溺れる叔母。母が死んだのは私のせい。すべて私が悪いのだ。 両…

あすかさん（@Earth13304453）主催企画 #喰字鬼アンソロジー　参加作品

小学5年生の女の子。 彼女はいつもひとりぼっち。いつかは友達がほしいと願っていた。 しかし、ついに彼女は誰にも見えない透明人間になってしまう…… それから日に日に希望を失ってい…

友達がいない「ボク」。 親しい友人なんて呼べる人は1人も居らず、 無職、病気と向き合いつつもスマホを片時も離さない一人の切ないボクのお話です。 登場人物は「家族」「先輩」などな…

高校一年生の智也は幼馴染に誘われた肝試しで、色白できれいな少女に出逢う。その後二人は仲良くなって。

追放された天使は赤い屋根の家で青年と出会う。グランドピアノに指を走らせる青年は天使を誘う。二人は音楽を通じてひかれあい、やがて二人一緒に過ごすようになる。二人で話し、笑い、音楽を…

十年前、メグは誰よりも愛していた人と別れた。彼女の幼い嘘のせいで、二人の関係を滅茶苦茶にしてしまった。 謝りたくても謝らせてさえもらえず、メグはずっと罪を抱えてきた。 そんなメグ…

レムは病室で、いつも一人ぼっちの緩を見ていた。 寂しいなら側にいるよ。 怖いなら僕の“とっておき”をしてあげるよ。 君が望むなら全部叶えたい。 君を守りたい。 「僕は君のマジ…

【きっと皆は俺のことを窓の向こうの木々と同様に考えている。ただ生命を維持し、日々少しずつ老いていくだけの存在。それが彼らの思う俺の全てだ。】 交通事故で自らの自由を失った男性の独…

【浅はかで幼稚で稚拙な麻衣子を隣で見守っているだけのことで、私は自身が「完璧な少女」であることを何度でも確認できる。たったそれだけの理由で私が麻衣子を唯一無二の親友に選んだことを…

恋人はできても恋ができない。優柔不断で確かな意志も目標もなく生きていた私が、ノリと勢いで告白した隣のクラスの男子。全然好みじゃないのに、何故か惹かれて仕方がない。これは果たして恋…

「ずっと一緒に泊まれたらいいのにね」 貞治は子供の頃にお婆ちゃんの家で、年上の従姉である千沙にそう言われた。 その日の思い出は貞治の心に深く刻まれ、彼女に憧れるようになった。 …

その声は、気付いた時には僕の心に囁きかけていた。 僕の行動にいちいち口を出し、コントロールしようとするあいつの声に、僕は次第に不快感と恐怖を感じるようになる。 脳内につきまとう声…

一年前、海で行方不明になった弟が突然、帰って来た。本人も両親も、何事もなかったように振る舞うのを見て、おれは混乱する。 「兄ちゃん、暑くてぼーっとして、夢でも見たんじゃないの」 …

切なくてダークな和風あやかしファンタジー小説。 神社の境内を一人の少女が訪れる。 彼女はいつも絵馬を片手に、一心に何かを願っている。 そしていつも「また、来てくれへんかっ…

湖の畔の白い小さな家。 その家の住人は既になく、長い年月の末、廃墟となっていた。 そんな廃墟で主の帰りを待つものがいた。 軋む体で精一杯、『お帰りなさい』と伝えるために、…