「幻想 短編」を含む小説

全ての文字列の本が貯蔵されるバベルの図書館。その図書館に存在しない本などない。だが、学者や作家、哲学者たちはバベルの図書館にさえ存在しないとされる『エデンの書』を求めて思索し、幾…

いつものように、僕は深夜の散歩に出かけた。 月と桜が、魔法をかけたような、そんな夜想が、僕を待っていた。

「どうだい、いい月の夜だ。外に散歩に行かないかい？」 その誘いに対し、Ｘはきっと、相当困った顔をしたのだろう。 何せＸは殺人鬼で死刑囚ではあるが、夜目など利かない、人間なのだから…

『生きた探査機』Ｘの視界を通して、今日も「私」は『異界』を観測する。 普段通り、何一つ問題のない試行――に、なるはずだったのだ。 『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得…

北海道の漁村に引っ越した「私」は、海にせり出す半島の上に、地図に無い電波塔を見た……。

寄り添いながらふたりで生きる、しずくとさんご。先に眠ったさんごに取り残されるのを恐れて、しずくはさんごを追いかける。海の底へ潜るダイバーのように。やがてしずくは夢の世界へたどり着…

Ｘが降り立ったのは、一面パステルカラーの『異界』だった。 『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる並行世界。 未知の世界を観測すべく選ばれたのは、刑の執行を待…

その『異界』は、懐かしい古本屋を思わせた。 『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる並行世界。 未知の世界を観測すべく選ばれたのは、刑の執行を待つ死刑囚Ｘであ…

はるかはるか東の土地。 お日様が昇るずっと先に、悪い預言を閉じ込めた塔がある。 ナーリー国の末姫ユーエンは、どうしてもその予言者にい会いたい理由があった。

宇宙や星をテーマとした短編集です。

ある雨の夜、ベランダに墜落した《天使》を見つけてしまった僕。 愛らしい《天使》とその美しい翼に、僕は惹かれていく。 ※本編(70字未満の超短編)と補遺(6000字程度の短編)から…

目覚めると目の前には四肢のない人形。 動けないそれを抱いて俺は海へと向かう。

無限に広がるオフィスのなかで、誰かのためにゲームをやりつづけることが仕事になっている男の話。 アメリカ文学風味不条理劇。

人が死んだ先には本屋があった。 人々は今までの人生を本にして本屋に残し、新たにまっさらの新品の本を手に入れ新たな人生を歩む。 今までの人生である本が見つからない少女コルクと、店員…

狐と太陽と鴉と声。テーマは以上の日常ライト文芸です。昨日作った2023年の初創作ですね。 IZANAI神道特別区―鬼無里に咲くさくらともみじ― https://kakuyom…

　自分の行き先を求めて、古い灯台の中を昇って行った。 　そこであった少女は夢か現か。 　自分が作り出した幻想か。 　鈴の音のような彼女の声を聞きながら自分の気持ちと向き合った。…

※2016年・クトゥルフ神話アンソロジー『幻視秘録 ー葬ー』寄稿作品。 「ボクが夢や希望や思ったことを現実にできる〝力〟の持主なのは……勿論、あなたも知ってますよねぇ？」 　派…

「あなた」は、シャボン玉を吹く少女の姿を、ぼんやりと見つめていた―― ＊クロノヒョウさん主催の自主企画「第40回『2000文字以内でお題に挑戦！』企画」に寄せて書いた作品です。…

都会にうちあげられたイマージュのかけらを拾い集める、幻想短編。