「口ばっかり」を含む小説

時は大正。 戦時中の大日本帝国では、機械産業が盛んだった。 生産されていたのは、貴族や華族に向けられた機動召使（オートマタ）。 彼らは人々の生活を助け、陰では戦いに身を投じら…

ロミロア・ハルクは17歳の伯爵令嬢。 4年前に当時5歳の王子に婚約を申し込まれ、年齢の差はありながらも、仲睦まじく過ごしていたつもりだった。 「ロミロアとの婚約を、ここに破棄す…

障子を開けるとそこは、日本間になっていた。およそ四帖はあろうその部屋に灯（あかり）はついていない。ただ、気分が悪くなるくらいの暗闇が広がっているだけだった。 「室内の空気がめちゃ…

サイコサスペンス小説『フルムーン』シリーズ。 私の唯一の友達の葉月ちゃんは人の死を喜ぶ。 彼女はとてもクラスメイトから怖がられていた。 彼女は死体が大好きだと口にしていた。 …

後に、平安時代と呼ばれていた頃、人魚の肉を口にすると、不老不死になるという噂があった。 ある漁村で、その肉を献上することになったのだが………… ※『覚醒呪伝-カクセイジュデン-…

エルフ病。 簡単にいえば中々老いない病というだけ。 みなこの病に興味もなければ関心もない。 だって、この病にかかっているのは世界中に私ただ一人だけ。比べようがないのだから症例…

はじめに……本作は、作者の突然の思いつきで始めた、即興のオリジナル小説（少女漫画風の、ファンタジー要素が入るギャグ小説）です。ただ思いつくがままに書いているので、ツッコミどころ満…

　ある夜の帰り道、西森旭（にしもりあさひ）は街中で昔の知り合いを見かける。それは子供のころよく遊んだ、近所に住んでいた学年がひとつ下の幼馴染だった。いつしか口を利かなくなり、離れ…

「ちょっと待て！　お前何してる？！」 使用人の俺がそう声を上げてしまうくらい、俺の年下主人は目が離せない。 ＊＊＊ とある伯爵家の使用人の息子・ゼルゼン。 変わらない日常…

願いが叶うと噂の「紺碧の洞窟」を目指して五人は旅を始めた。 親の再婚で居場所がなくなった花木碧理。 彼女と別れたい赤谷慎吾。 彼氏と別れたくない高田翠子。 親のダブル不倫が原因…

人間は、生まれた時は誰もが心は無垢だったはず。 しかし、年を取るにつれ人格や体格、顔などがそれぞれに形成され、良く言えば美男美女、かわいい、かっこいい、そして個性的だと。しかし…

※同時推敲中の『虚空の灯明』とリンクしています。シリーズものとして読んでいただいても、どちらか一方だけでも、読んでいただけたら嬉しいです。 　※　※　※ 　この星の人が住む国…

「メルチェリーナお前との婚約を破棄する！！」 「ちょうど良かったわ……」 そう口にしつつ、私は思わず笑みを漏らしてしまった。 これはよくある令嬢と王子にまつわる寸劇の話。 …

口には足が生えて色々な所にいきます。

俺は、自宅でテレビを見ていた。「あなたの好きな体の部位は？」という番組でたまたま見ていたが、中々面白い。 同棲している彼女は、その番組を横目に買い物のメモを書いていた。俺は彼女…

虚構科学研究所の不死の定義：地球上の何者よりも強い。他者に殺されない。 人間の遺伝子改造が容認された世界。 虚構科学研究所の成果により、不死の頂に到達した少年＜最上彼方＞は、動…

「ねえ、春ってなに？」 　少女の桜色の唇が不可解な疑問を口にする。私は想定外の質問に戸惑いながらも、ベッドに腰掛けた少女に向き合った。

僕はカラッポだ。 たとえ話とかじゃなく、僕は本当にカラッポなんだ。 自分の名前も過去の記憶も、まったく思い出せない。それどころか僕には、顔や体さえ無かった。 僕は誰なんだろう？…

怪しげに腕組みをした。 まるでその質問を心待ちにしていたかのように。 でも先輩は無言でずっと眼を見詰めてきた。 変な気分になってしまいそうになったから重たい口を開く。

街が時計回りに並んだ、その４番目の街。そこはリラの花が咲く薄葵の景色。 だが、それすらも霞むほどの強烈な人物が住んでいる。 誰も彼もが口を揃えて言うだろう。「ここ、４番街にはとん…