「空艇」を含む小説

　――青年、鹿住ハルは、とある春の平原にて目を覚ました。 　どうやらここは日本ではないらしい。それ以外には、なにも分からなかった。 　彼の目前にあるのは、地平までまっすぐに続く…

「君との婚約を破棄する！」と六人目の婚約者に言われた瞬間、クリスティーナは婚約破棄の成就に思わず笑みが零れそうになった。 ヴィクトール帝国の皇女クリスティーナは、皇太子派の大き…

王国最速を決める箒競技会、その決勝戦で墜落した妹が大怪我を負った。 遠方の赴任地でその報せを受け取った私は、取るものも取り合えず、王都行きの飛空艇を予約して飛び乗った。 ---…

「……いいか、レイス？　オードールはな……1000年前はサロニアム・キャピタルの同盟国だったぞ」 「そうなの？　あのオードールが同盟国だったんだ」 「え？　あの中立都市オードー…

伯爵家の飛行船が大クラゲに襲われた。伯爵家の近衛兵隊長エイナイナは主人を助けるために空賊の手を借りることを決意するが、その対価として空賊が要求したのは、エイナイナ本人だった。

郵便局。それは様々なものを運ぶところ。 急速に発展しつつあるルーニ王国では、飛空艇の建造に合わせて郵便網が拡大しつつあった。 そんな王国の郵便局員に、レインという名前を持つハーピ…

人類の生活圏の安全確保、絶滅が危惧される龍種の保護、商業的利用を前提とした繁殖、育成。捕獲。様々な目的を一元的に解決するため、太古に放棄された国家都市を丸ごと龍族の生息保護区域と…

天才悪役女優として名を馳せた早乙女イヴは劇中と現実の区別がつかなくなったファンに殺されてしまった。 そして気が付けば、異世界の伯爵夫人コルネリア＝フラウに転生する。 嫁いだばかり…

惑星イールナーグの空を飛ぶ、ちっちゃな魔女のお店屋さん。 どんな場所であっても必ず配達してくれると噂のあるお店です。 赤い屋根の庭付き一戸建て。 お家をちょこんと乗せた飛空艇に乗…

いにしえの物語の中蒼穹（そら）を駆ける飛空艇。そんな飛空艇を求める一人の少年。 辺境の地から始まる冒険譚。人と竜とエルフがかなでる三重奏。 戦いあり、平和あり、冒険あり。 いまこ…

――世界を救った漆黒の勇者エリザベートは、伝説の聖剣と共に消ゆ―― 魔王を倒した勇者が消えた。 『表舞台から消えた女勇者はいずこへ？』 漆黒の勇者となったランドン公国のエリザベ…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 本日、飛空艇エキンは学園船の子供たちを迎えている。 やっぱり子供はうるさい……いや、賑やかだよな。お相手は相棒のタネルに任せた…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 飛空艇エキンに積んだ本の整理をしていた僕は、通路の片隅に落ちていた硬貨を見つけた。 お客さんの落し物だろうか？　それとも猫のア…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 飛空艇に積んだ本で食糧を買うため、僕らはあらゆる品が揃う巨大飛空艇トゥトクのグランドバザールを訪れた。 その逞しく働く人たちの…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 飛空艇エキンは膨大に書物を載せ、果てなき空の世界を旅し続ける。 そして今夜も船長たるオレは、ひとり静かに船を行く。招かざるモノ…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 遠い過去から受け継がれ、一方で日々生成される膨大な書物を積んだ飛空艇エキンの書棚整理は、副船長である僕の仕事。猫のアスランは、…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 遥か昔から遺された本を積んで、飛空艇エキンは今日ものんびり果てしない旅をする……はずだったのだが。 得体の知れない何物かが、闇…

世界から大地が消えた。人々の暮らしは空飛ぶ船の上。 飛空艇エキンは今日も空を流れ、オレンジ色の虎猫アスランと共に物語をお届けいたします。 © 2023 Tsukiko Kan…

かつて繁栄を極めていた科学文明が滅び、魔物と樹海と呼ばれる異界の生物たちが蔓延る世界。 そんな混沌とした世界の中で、メビウス飛空艇団の副団長として活躍する兎族の獣人アイリスは、…

ごく普通のゲーム好きだった主人公は、あるとき交通事故に巻き込まれ、ハマっていたゲーム「セレスティアル・ファンタジー」の世界に転生してしまう。 そこは海や大地が存在せず、無数の浮遊…