「月 孤独」を含む小説

全ての人間がいなくなった世界で、ただ一人残されたアンドロイドは孤独な幾億の昼と夜を過ごしていた。命を持たない人工知能であるはずなのに、彼はいつしか自らの死を願うように。 月が照ら…

青い空に浮かぶ雲や月を見て、感動するような個性は、歳を重ねるごとに笑われる対象になる。そこに悪意があるのか、ないのかは、わからない。 それでも尚、胸を張って微笑む朝子さんに、私…

ーーあれは、傷だらけで帰った月映えの夜のことでした。 見たことのない美しい銀糸を靡かせ、迷いの無い瞳はじっと私を見つめている。 傷ついた手を掴む異形の手は、…

地球の少し外れにある町は孤独で、静かで、月にまっすぐ向かう列車がある。

　小国のプリンセス、サンは、同郷の親友、ルナが主任研究員を務めている月のルナステーションと呼ばれる研究所に訪れた。 　それは親友のルナと会うためだった。そこでルナはサンに『ある計…

伴侶を森の中に失った老婆は、森の見える窓辺に座り、白く霞む景色の向こうに影を探す。――11/1「窓辺」 一つの森、二つの町の11月を描いた掌編集。 綺想編纂館 朧様主催のTw…

　密林に覆われたマヤの地で、泉の水底から目覚めたジャガー大神は、考古学者月護教授の願いを聞き入れ、魂が散ってしまった教授の息子、顕の体内で、人間としての暮らしを始めた。迦陵頻伽か…

交通事故で死んで幽霊になってしまったわたし、幽月令（ゆづきれい）は、唯一わたしのことを視える親友の真咲菊乃（まさききくの）の背後霊として第二の生活を送ることになりました。 正直…

「月と金星は女の星らしい。あの美しさに勝るような女性と僕らは出会うことができるのかな？」 8月10日、17歳の夏、参加したキャンプで同じテントとなった誠太郎、雅伸、飛鳥は最終日…

どうしてもひとりにしてほしい主人公。 どうしてもひとりにさせたくない周りの人。 どこまでいったらひとりになれるの？ ↓前回の投稿↓ 『地球サーバー２こそこの世の楽園だ！！…

毎年、８月７日は特別な日。それなのに深い孤独を味わわされてしまった佳澄さん、ふて寝も同然のシエスタで奇妙な夢に囚われます。様々に姿を変え、言葉巧みに佳澄さんの心を家族から引き離そ…

主人公は高校一年生の蓮見亨。 物心がついたころから、忘れたいものをなんでも忘れることのできる わがままボタンを心の中に飼っている。 人との距離を取って生きてきた亨だったが、そんな…

夜、孤独、骨、星と月、雨、呼吸、など少しずつ。 オフラインで配布しているペーパー「エウロパの海」に掲載した、自己紹介的な短いお話。こんなの書いてる人なのか、と文章の雰囲気を知っ…

山瀬岬は両親を事故で亡くし天涯孤独の身となった。岬は施設に引き取られた。 施設では今までの生活で出会ったことのない個性の強いメンバーに出会う。 月の丘町にある『月の丘の家』という…

【書籍化記念　書き下ろし短編掲載！】 小説第１巻　８月５日発売決定！ アンデッド族の中でも、最弱のモンスターと言われている「スケルトン」。 何も考えることのないモンスターである…

――人は死ねば蝶になる。 そんな言葉を、夜の星を見て、思い出した。 ＊＊＊ ２０１８年。春。 Y大学で連続自殺事件があった。 　 一人目。 藤田源次郎。大学清掃員。 自室の…

短いお話

人間と悪魔と天使がいる現代の話。 ３人の主人公の視点から描く群像劇。 ・三國奏太　悪魔になり切れない悪魔。 ・白木由希　孤独で一途な天使。 ・羽場凌介　全てを敵視する悪魔。

桜がその花を咲かせていたことを、夏になれば人々は忘れてしまう。 誰もが足早に、アスファルトの上を歩み去っていく。 そんな2011年7月の頃、わたしは親友に別れを告げた。 そうせ…

半身を見つけた男女の話です。