「縦推奨」を含む小説

大阪女性文芸賞にみごと落選しました作品です。 残された障がい児を育てる未亡人。しかし地区の主任司祭から「この子はあなたの夫の子どもではありません。汚らわしいＣａｇｏｔｓの血を引…

　ハハハ。そんなに怖がるコタアないよ。マアもっとコッチへ来たまえ。サアサア、一杯。安い酒だがね。……どうだい、美味いもんだろう。僕も昨日初めて飲んだのだがね、イヤこの値段でこの味…

致死性発光症という病が蔓延した世界。患者は末期になると光の粒と化し、骨も残さず散る。身近な人が、あるいは自分がその状況にあるならば何を思ってどう動くのだろう。 ひとつの世界で紡…

大の桜好きで有名な貴族・成範は、たったの七日で散りゆく花の命の短さを儚み、とうとう祈祷に手を出した。 その様子をこっそりと伺う、一人の天女に気付くこともなく……。 能の演目『…

公認魔法少女。 それは魔法世界より選ばれた、魔法を使う少女たち。使命を持つ者たち。 その戦いを終え、使命を果たしてなお戦い続ける者を、人は非公認魔法少女と呼ぶ。 魔法のフェアリ…

平安時代、男装騎乗で天皇の行幸に従う男性名の女官がいた。 東豎子（あずまわらわ）、またの名を姫大夫（ひめまへつきみ）・姫松（ひめまつ）という。 きさきは無論、女房にも及ばぬ軽い地…

[縦組み推奨] 突然松風 秋穂の元に、高校時代の教師、長谷川 徹から封筒に入った長文の手紙が届く。そしてその中に入っていたのは消えた自身の記憶。 今はもう亡き彼女の友人、境 苑子…

　会社帰りにしこたまお酒を飲んだ私は、酔って道に迷ったのか、気が付けば見知らぬ商店街に一人立っていた。 　そこには『あなたの人生を一冊の本にします』と張り紙された不思議な店があ…

「——えっと、みなさん、こんにちは！　佐寺幸（さでらみゆき）です！　一応、この作品のヒロイン？みたいです。でもでもぉ、活躍するのはわたしじゃなくて、おにーちゃん！　すっごいんです…

時は幕末、乱世の世。花の都京では不逞浪士が跳梁跋扈！ それを成敗するために作られた組織、その名も新撰組！ 主人公、林信太郎と新選組筆頭局長・芹沢鴨のわりと真面目な時代小説！ …

幕末から明治にかけての生人形師に、松本喜三郎という男がいた。 彼によって「生人形」というジャンルは創り出され、そして彼の死によって終わった。 喜三郎の知らぬところで、その生人形…

偽怪証明【連作短編ミステリ】 ――偽怪、それは人為的に引き起こされた怪奇現象を指す言葉。 小瀬良氷波が運営する怪談蒐集サイト「怪異の淵」に寄せられた恐怖体験談を、お化け嫌いの…

一人で泣けない人のところに現れる「降らし屋」がいる。 降らし屋は雨を連れて現れ、言葉を紡ぐ。張りつめた心にしとしとと雨粒が染み込んでいくように。

旅人を守ることを生業とする者たちを護衛士と呼ぶ。 〈レイナスの息子〉の異名をとるアゼルもそんな護衛士の一人であり、毎年約束している〈早摘み〉の護衛に今年も北嶺山脈を訪れたのだが―…

本作を改題改稿した「空を駆ける、海を渡る」→https://kakuyomu.jp/works/1177354054886719393 幼少の頃、憧れていた少女がいた。 ――…

　大学一年生の日野紫（ひのゆかり）は夏が苦手だった。 　夜空に咲いた大輪の花。優しい二人の笑顔。 　美しいはずの夏色の記憶が、紫を暗い暗い過去に縛りつける。 　だが、ミステリアス…

閉ざされた部屋。意識のないまま横たわる、病み衰えた夫。 時が止まったようにすら思える病室で、彼女は不意に懐かしい音を耳にする。 ※五年ほど前に書いたものを転載しました。

二人の男は不思議な夢から目を覚ます。ひとりは不吉な夢から、ひとりは心地よい夢からの目覚めだった。 神奈川県内の大学に通う男は、卒業論文で関東大震災時における朝鮮人虐殺事件を調べ…

ごみの不法投棄に腹を立てた時に思いついたストーリーです。 ※もともとは、大木　奈夢様の自主企画【集団提案企画　2000文字以内限定】参加のため書下ろした作品です。

第５回BOX-AiR新人賞最終選考作品に大幅加筆修正をし、完結まで仕上げたものです。