「「ファンタジー」または「幻想」」を含む小説

この廃病院はなんだか不思議な廃病院だった。 入れば、すぐにものすごく長いトンネルがあって、それは極楽浄土に接続している。 この廃病院は、ただの廃病院ではないようだ。神聖なものなの…

2024年5月19日（日）文学フリマ東京38（＠東京流通センター）で頒布予定のアンソロジー第二弾『飛ぶ子ども』（ドロップス書房）所収予定の短編です。 大人のための仄暗い幻想童話…

よろしくね、と返してきた詩人の手に眼を向けると、今夜の夕食の食材なのか、つやつやしていて、苔のような緑と赤紫が印象深い、黄色がかった濃茶の根菜が、ひとつ、握られていた。

二人の世界が色づく影と光

王国の辺境に竜が現れた。 王子アランは、宮廷の老人たちによる醜い駆け引きの結果、討伐を命じられる。 アランにとってそれは、名を上げ、王位継承権を確定させるための絶好の機会だっ…

アルマゲドン（最終戦争）後の荒廃した世界で、人類は緩やかに滅亡の時を待っていた。 マッダレーナ・マッジョーレ教会には、何世紀もの間、朽ちることのない乙女が眠っている。その遺体は…

世界最大の都、ゾンキア帝国の帝都ウル・ゾンキムでウル・ジャファルは幻術を用いるアルカーナと接触するよう、所属する盗賊結社から命令をうける。彼が出会った少女は自分よりも幼く見える、…

ご観覧いただき、誠にありがとうございます。 第一回杉村幻想短編文学賞　入選作品「幻想世界の入口」です。 小説の世界観だけでなく、内容も楽しんでいただけると嬉しいです。

どこかの宇宙の片隅に、想い出の星がありました。 小さな小さなその惑星には、想い出の動物園があって。 そこには、動物園の魔女が住んでいたのです。 【本作は『カクヨムWeb小説短…

幻想的な内容の短歌を詠んだ詩歌集です。 好きな箇所から読めます。 数分で異世界を覗くような 気分転換はいかがですか？ 不定期更新で100首まで投稿して完結予定。 魔法の鳥さんが…

私はいま恋をしている。 それも、このあいだ生まれたばかりの恋だ。 お互いを好きなのかどうかを確認する作業もなく、デートをするわけでもない。ただ週一度のこの面会だけが、私たちの関係…

海の向こうへ憧れて故郷を飛び出した「わたし」は、未だ見ぬ景色や、憧れていた景色を求めて世界を巡り歩く。 誰もいない街道、雨がやまない小道、夜が明けない町など、いくつもの町や街道を…

主人公の女性・サカナ（本名、沙坂 那渡）のまえに出現した魔法使い《ネムリ》は、過去文明からの刺客だった。未来から送り込まれたパワードスーツ《ハガネ》を装着して、生き延びるためサカ…

　いにしえの時代。 　光を統べる金の竜は、人間の娘に恋をした。 　長い時代を経たのちに、人は竜を退け、悲劇は訪れ、世界は終焉へ向かうことになったけれど。 『永遠の愛の誓いは嘘…

きらびやかな朝焼けのなかで一輪だけ咲いている、靄にぼやける光の色をした花を、そのひとは見つめていた。

　夜は世界に宵闇を齎した。 　日は世界に陽光を齎した。 　月は、双方の世界に浮かび、そして彼らを照らす幻想を齎すことを許された。 　彼らは世界の歯車として、世界を廻す者。 　…

空海を渡る「漕ぎ手」の少年は、今宵も深度計を握りしめ夜の海へと船を出す。 深度に応じた不思議な生き物達と関わりながら、少年は何かを探している。 その理由も内容も忘れてしまいながら…

旅人は、道に迷って山奥の民宿にたどり着く。そこの主人は、旅人が山で体験したことを言い当てる。もしかすると、この旅は・・・

#文披31題 に参加の140文字の読み切り掌編小説を、のんびり収録します。 7/1-31までの31話になります。（かくよむへの収録は時差があります） 綺想編纂館　朧様@Ficti…

遊牧民の少年ハルトゥは、親友のゲレルと共に、卓越した馬の乗り手だった。ところがある日、競馬大会の競争中に、ゲレルの行方が分からなくなってしまう。