「月明かり」を含む小説

М９.２の大地震が襲い、ほぼ全壊や半壊の建物の中で唯一崩れずに残った公民館に、町中の皆が所狭しと集まっていた。 日中も不便では有るが、月明かりさえも射し込まない夜は、何も見えず人…

　昼頃まで降っていた雪はもう止んでいて、くっきりと丸く形を成す月明かりが地表を覆う雪面を照らしていた。きょうは綺麗な雪月夜ができあがっていたわけだが、その幻想的な光景はどこか僕に…

月明かりの下、二人は出会った。

「俺、魔王やめる」 先代魔王からその地位を引き継いで三日目。新魔王は配下たちにそう告げた。 かつての人間対魔族という図式が形骸化し、魔界領へ攻め入らんとする人間たちはもはや目的を…

月面都市の剣術道場・真原道場の主、真原時雨は、普段は年下の妻、セリカの尻に敷かれる昼行灯である。だが、一度刀仕事を請け負えば、月面で使用される人型機械・殲刀機を駆り、魔剣の技を振…

月明かり照らす古びた木の小屋の中、死んだように独りで本を読み続ける少年。 いつもどおりの灰色日々の中にふと現れた白い蝶、キラキラと月明かりに照らされたその姿はどうにも神秘的で心奪…

■あらすじ 　反政府運動に参加していた僕たち六人は、クーデターを起こした軍部の手から逃れるため、国境線沿いの町にやってきた。夜になり、山岳地帯の森へと入った。新月で月明かりもない…

月明かりだけが照らす冷たい城の部屋で奏でられるその美しい楽曲はどこからやってきたのか。私はよく知っているはずのその曲の名をどうしても思い出せないでいる…

「俊君、私と付き合ってください」 「私と付き合ってよ俊介」 月明かりがまぶしく照らす寂れた公園で 二人の美女に告白される 男なら一度は夢見る最高の シチュエーションだが、 …

　天海は、老いた体に鞭打ち積極的に現場へ出向き、江戸の結界づくりに勤しんでいた。その疲れを癒すように浅草寺の御堂にて仏と向き合っていた。障子から透かし入る月明かりの中、蝋燭を五芒…

或る日、月が爆発した。それによる地球の破壊、その中でも普通に生きようとする人々のオムニバス小説

ヨーロッパの小国・ルリエル王国にある公爵家の屋敷で、少女はとある物を探していた。 メイドの衣装に身を包み、辺りを憚るように探し物をする少女は、物色の帰り際、月明かりが照らす廊下…

社畜騎士、ヴァン・イスルギ。 彼の務めている王国第九騎士団は平民のみで構成された騎士団だった。 貴族出身の騎士たちからは見下され、重労働な仕事ばかりをまわされる日々を送ってい…

あなたは自分の両親が人間だと言えますか。 人狼やバンパイアなんて空想だと思っていませんか。 自分は人間だと思っていませんか。 20歳の誕生日。満月の夜に自分が人間ではないと気づ…

色んなものを食べたり、娘と妻が可愛いというお話です。 草食アングラ森小説賞参加作。 過激な描写があるので苦手な方は注意してください。

料理茶屋の二階の障子には、月明かりに影をなす柳が揺れていた。 ※都々逸は『有名都々逸紹介』他より「引用」

神と契約した魔女の手により、文明は著しい発展を遂げると共に、世界は完全な二極化を果たした。 完璧な管理と統制のもとで平和を謳歌する「樹界」。そこで暮らす少女フィサリスは、 「地…

別れた彼女の事を忘れるために、思い出の山陰本線の若者に見放された海水浴場にやってきた。 その夜、砂浜で若い女の子が裸で泳いでいるのに出会う。 黒い海に泳ぐ少女は、月明かりの下で、…