「彼女の声が」を含む小説

　都心から少し外れた場所にある鹿葦津学園には『人魚姫』と謳われる美少女がいる。無口であることで有名な彼女の声を聞いたことあるものは、片手で数えられるほど。 そんな華葦津学園の中で…

　僕はこの春——見事、高校二年生へと進級した。 　と言っても、取り立てて僕の頭が絶望的にみそっかすなわけでもないし、そこそこの学力は持っている。自分でそこそこの学力を持っている…

蒼国の西方、元州。 州都のとある居酒屋で飲んだくれて居眠りをする女が居た。 かつて美姫と持て囃された公主が事件を起こし、国を追われた成れの果てである。 誰もが遠巻きにしか見つめら…

心に傷を負い、通信制高校に通う都希斗《ときと》。 ある夜、電源の入らないスマートフォンに、届くはずのないメールが着信し……。 月の照らす夜にだけ、もう居ないはずの彼女とメールで繋…

アコースティッコフィリア。―…音響性愛という愛好家がいるのをご存じだろうか。甘い歌声をセクシーヴォイスというように、声は視覚以上に性的に感じられることがある。人の息継ぎや、溜息。…

亜衣はいつも何かに困っていた。そしてそんな彼女に声をかけるのが高飛車なお嬢様の綾子だったが――

「５分で読書」短編小説コンテスト　参加作 テーマ：想いが通じる５分前（恋愛） https://kakuyomu.jp/contests/5min_short/detail 男子…

だらしない男がいた。 仕事は長続きせず、対人恐怖症、絵に描いたようなダメ男が世の中に疲れボロ車で車中泊の旅に出る。 そんな中ある山陰地方の絶壁で立ち尽くしている美女と出会う。 彼…

　俺――桐生樹（いつき）のクラスには『聖女様』と呼ばれる学校一の美少女、天宮真白がいた。ある日、下校途中の公園で今にも泣き崩れそうな彼女の姿を見てしまう。「困っている人、助けや救…

どしゃぶりの雨の日。 桜庭（さくらば）ロクは、学校からの帰り道に女の子と出会う。 傘も差さずにじっとしていた彼女に声をかけると、 「帰る場所がなくなったんです」 「母親が私を…

内気で引っ込み思案な歩美は、春のクラス替え後、なかなか新しいクラスに馴染めずにいた。 そんな彼女に声をかけてきたのは、誰にでも優しい、クラスで人気者の男子で。 クラスで孤立気味…

一話2分で読みきれる作品です。 あなたはどの彼女がお好みですか？ 月曜：元気 火曜：積極的 水曜：年上 木曜：優しい 金曜：ワガママ 土曜：年下、あざとい 日曜：セクシー ──…

「叫び」をお題として、2014年に書いたものです。異様な勢いがある。

娘の高校合格祝いで、携帯ショップにやって来たボク。 ボクはそこで、かつて自分が学生の頃に買った『喋る携帯』の事を思い出す。 (なろう、カクヨム、ノベプラにて同名の小説を配信してい…

僕の彼女は声が出ない。 可愛い顔なんだから、話せたらきっと美しい声だろうに。

彼女の声も、笑い方も、温もりも、全部覚えてる。けれど彼女はもういない。彼女の存在証明をするものは一体何だったのか。

妄想のような夢を持つ俺は、今日も冒険者仲間から笑われていた。 しかし、一人の女性がやってきてこう言った。 「あなたの夢を叶えるお手伝いをいたしましょう」 夢を叶える女神と呼ば…

タスケテ タスケテ 彼女の声は闇に吸い込まれ、誰にも届かない。 最愛の恋人の死に直面し、彼女は旅にでる。 死人を蘇らせることのできると噂の、魔女の元へ。 背には棺桶を背…

　美しくも狂気の漂う詩を連載するつもりです。各話に繋がりはありませんので、どこからでもどうぞ。(横組み推奨です) 　それでは、挨拶がわりに一編を。 　君は彼女の言葉が…

　世界を終焉へ導く『空の割れ目』を塞ぐため、救世主たる『適合者』に選ばれたクラスメイトの高橋さん。 　他のみんなが「ヒーロー誕生だ」と騒ぎ立てる中、僕だけは知っていた。『適合者』…