「同じ時間」を含む小説

「……聞いて、私がもう一人いる」 突然、彼女はそう僕に告げた。 話を聞けば、今住んでいるマンションへ入って行く自分を見たから、らしい。 どちらの彼女が本物で、偽物なのか僕達は推…

強い雨のせいで、前がよく見えなかった。 私は黒いコートを着た大柄な男の人に当たってしまった。 見上げたその顔は推しだった。 「また会えたらいいな」 そう推しに言われた。そし…

二回だけ疾る星を見たことがある。奇しくも二回とも同じ場所、同じ時間だ。一回目は星に触ろうと、山の頂上に登った時。二回目はそこで干渉に浸っていた時だ。あの時、僕は人の創り出す星を見…

毎月同じ時間、同じ場所で誰かを待つ、コンビニ店長の新田結衣（25）。同じコンビニで働く石田里帆（17）は結衣の行動が気になり……

最愛の姉（双子の姉妹の姉）、葉月を事件によって失った当時12歳の少年、悠太は住んでいた街からの引っ越しと共に非行に走った。 ある日夜遊びから帰ると父親から告げられたのは、絶縁宣言…

「ちょっとセシリア、お前王都で何やってんの？！」 　少年・ユンは伯爵家の使用人としてではなく友人として、思わずそう叫んでしまった。 　＊　＊　＊ 　今年、社交界デビューの為に…

時は1900年代後期。まだ、全国をレディースたちが駆けていた頃。 いつもと同じ時間に起き、同じ時間に学校に行き、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。そんな日々を退屈に感じていた…

ほぼ決まって同じ時間にすれ違う車を眺めていると、向こうも私を見ていることに気付く。その時はまだ単なる偶然だと思ったのに･･･。 ※某地方新聞入選作品

統一世界観の第一作目 統一世界観とは時代も、小説としての分類（分野）もまったく別であるが根幹の設定に基づいて各物語に何らかの関連性がある事を含めた作品である。 ほとんどの小説は物…

中学三年生の雪村奏は不慮の事故にあい、積み重ねてきたもの、その先にあった夢諸共に失ってしまう。 その事実に耐え切れず、失意の底にいた彼女に再び活力を与えてくれたのは、テレビで見た…

毎朝同じ時間に起きて、同じ感情に陥り、そして穴へと落ちていく…。 真っ当に生きてきたはずの“私”の人生は、どうして狂ってしまったのだろうか。 その答えは、落ちた穴の先にある。

　代わり映えのない日常にありながらも、私が経験した特別な思い出を紹介しよう。 　駅にあるストリートピアノ。 　そこで演奏する中学生ぐらいの女の子。 　私はその曲と彼女の込める感情…

想像力豊かな者ども集まれ！！企画参加作品。 璃志葉孤槍さんの『地鏡の散歩道（https://kakuyomu.jp/works/16816452220585696228）』の後日…

私とちーちゃんは、生きている時間が違う。 同じ世界、同じ空間で息をしているにも関わらず、時間の流れ方が根本から違くって。 私や皆は、誰もがゆっくり。でもちーちゃんは、一人だけ駆け…

ずっと同じ時間を過ごしてきた子がいる。 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、そして……。 妹？　幼馴染？　後輩？　俺たちの関係って何だろう？ 好きとか恋とか、恋愛とか。　形がない…

桜庭美乃莉にとって、写真といえば自分の生き方そのものであり、幼い頃から風景や人物を沢山撮りその道を歩んでいた。 そんな彼女には、人生で唯一撮れなかった人がいた。 桜の花弁のような…

現実世界と同じように一日ずつ進行する『令和な日々』を通して、 あなたも彼女たちと同じ時間を過ごしませんか？ 陽稲はロシア系の血を引く妖精のような姿の愛にあふれた少女。 ファッシ…

ーPM ５：１４ー いつもの時間、いつもの車両。 そこにはいつも、あなたがいました。 彼女とラブラブな彼。 ぴったりと寄り添って彼女を愛おしそうに見つめる彼の表情はとても幸せ…

ある日の通学路、雑多なビルの隙間で少女は通り魔に刺され命を落とした。 大見八重はそれをただ傍観する事しか出来ず、そんな自分を変えるべく自衛隊に入隊するが、それから8年後中東の最前…

パラパラと小雨の降る金曜の夜、そのヒトは私の前に現れた。一目惚れなんて、自分の人生にあるわけないと思っていた。落ち着いた笑みを絶やさないギリシャ彫刻のような顔は、本当に大理石で出…