「円城塔賞 ショートショート」を含む小説

「命あれば海月も骨に出会う」ということわざがある。長く生きていれば、海月も骨に出会い、骨の有る身になるかもしれない。そんな滅多にない幸運があるかもしれない、そう言う意味だ。 僕…

誰かと誰かを結ぶのが仕事の恋のキューピット。 その日、彼女は恋に落ちた。

太郎と次郎は兄弟のようだが兄弟ではなく。 次郎は太郎のことを兄のように慕っているが、太郎は次郎のことを弟のように可愛がっているわけでもない。 互いに兄を求めるが互いに兄ではない、…

文字から意味を剥奪し、言葉を脱臼させることによって世界の足場を揺らがせる実験的な小説作品です。言葉や文章について日頃考えている人に向けたある種の提案として書いた作品。 ※横書き…

宇宙飛行士の日常さん（https://twitter.com/utyuiroiro）に勝手に影響されて妄想して書きました。

　……鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰？……、昔、自分を映す鏡に、そう問いかけたものがいるという。 　すると、なんと鏡が喋った、あなたではないと。その者は、さぞやその鏡のことを苦々…

ミステリーでもあり、ホラーでもある。ニャンとも不思議な物語── ※無断転載禁止

やさしい言葉が、わたしの全てを麻痺させて狂わせている。ずっと一緒にいられるって、信じさせている。あなたはいつまでも恋人気分でいるようだけれど、それって、ズルいと思う。 ※無断…

若くて美人な美智子さん。でも、隣の部屋に住んでいるのは、美智子さんのストーカー？　高価な贈り物ばかりしてくる、気味の悪い男……。

僕が通う小学校のすぐ裏にある池には守り神でもある河童様が住んでおり、多くの人を見守っていました。その一方で恐ろしい呪いの力も持っているのです。 『KAC2021』四回目『ホラー・…

「私、ヤクマル ナナミ。15歳。突然だけど、私、今すっごい恋をしているわ」私と俺、高校生が織りなす恋物語。初々しい恋がいきつく衝撃の結末とは……。 『KAC2021』四回目『ホラ…

人生、何をしても運が向かない男。 何の気無しに山中散策を思い立つ。が、その道は複雑奇妙に入り組んだ迷路道だった……。

西暦22XX年、あまりに行き過ぎた経済格差が、生涯未婚の貧しき者たちを大量に生み出し、 結果、世界の総人口は21世紀初頭より半減していた。 その、減った半分をロボットで人工的に補…

とある警察官が、橋で死にたい死にたくない人と出会う。 ショートショートです。

最終核戦争後の世界、何とか生き残った少数の人類は地下世界を創出し、そこで社会生活を再び始めだしていた。俺とアキコもそこで生きる新生地下人類だ。二人は恋人同士なのだ。

ある男が慌ててトイレの個室に入った。すべきことを済ませたのち、気づいたのだ！　紙が、無いと。さあ、どうする？ その時、隣の個室にも誰かが入った気配がした。この人に助けを求めること…

タケシはクラスメイトと探偵ごっこをしていたのだが、近所の子供のケンイチに見られてしまう。 ケンイチに近くをうろうろされては、タケシの居場所が探偵役の友達にばれてしまいそうだ。 ケ…

勅許指定自治国家極東諸島連合の『軍』が開発した超航行ステルス偵察戦闘機『イカロス』は単体で『敵』の衛星兵器を破壊するため、大気圏外での運用試験を始めていた。この特殊な機体のために…

大人のアイテムとして、前々から憧れていたサングラスを僕は買った。もともと近眼なので、度付きサングラスだ。だが、このサングラス、ちょっと予想外の代物だったのだ……。

昼間はただのサラリーマン。だが、夜になると、アキオは仮面をかぶり、オートバイにまたがり、静まる街に駆け出してゆく。そう、町の平和を悪から守る、仮面ヒーローとして。