「それでも歩く」を含む小説

夢を向かい 歩く草原

ふたりの旅人がいた。 ひとりはアメジスト色の髪をもつ、いつも不敵な笑みを浮かべて憚らない青年だった。鋭いようにも眠そうにも見える目つきをしている。たいてい、コートのポケットに手を…

　ドラゴン、オーク、フェアリー、そして人間等々。 　種々様々な異種族たちにより各地に独特の社会や文化が形成されているグリーシス大陸。 　種族間の対立からくる戦乱の嵐が大陸全体…

人が心を迷わせたり、何かを渇望するときにその雑貨店は姿を現すらしい。 名前はなく、入り組んだ小路の先にあると言われる赤い看板の雑貨店。 望みの物を手に入れた人は果たして満たされる…

「夏夜を歩かない？」変な女に声をかけられたお話です。

皆さん、「物売りの声」というと、何を思い出しますか？ 教科書などに出てくるものでは、京都ですかね。花などを頭にのせて、「花いらんかえー」と売り歩く「白川女」（しらかわめ）や、し…

笹森美奈子は、雨の日に一人の女性と出会う。傘も差さず、ずぶ濡れで歩く彼女に、美奈子は声を掛けた。そして、その日から二人の不思議な同居生活が始まる。彼女は「猫さん」、そして美奈子は…

３ 「う……ん…………あ……れ、此処……は？」 　仰向けで倒れていた私の視界を支配していたのは辺り一面の霧だった。 　ゆっくりと身体を起こしてみるも、まだはっきりとしない頭と、…

後ろ暗い過去を持つ私は、夜の都会を陰鬱に歩く。

とある街のはずれにある団地。そこは治安が悪く、不法入居者が多くいた。 そんな団地の廊下を歩く影が二つ。死体売りとキョンシーだ。 彼らはある男に娘の死体を買いたいと持ち掛ける。

異物として異世界に転生させられた髪の毛が薄いおっさん。 気が付くと全裸で町の大通りに立っていた。 しばらくすると衛兵に声を掛けられ、異世界に来て早々無実(?)の罪で捕まってしまう…

自分以外の人間が全員全裸の世界に迷い込んだ時田零(ときたれい)、以下レイは、追いすがる全裸のオヤジ達を振り切り古代ローマを思わせる狂気の街から何とか脱出する事が出来た。 荒野を…

双子の姉妹。 愛した男は一人。 最後に隣を歩くのはどちらでしょうか？ ー貴方の隣を歩くのは本当の人？－

【ＰＲ文】 　高１の鷹大（たかひろ）は、山の崖から転落し、走馬灯を見て生きるのを諦（あきら）めてしまう。 　だが、生（せい）を諦めるのは脳細胞なのだ。他の細胞たちは必死に生きよ…

高校三年生の篠崎美春は、毎晩変わらずやってくる静寂に満ちた夜が好きだった。 　肌に触れる空気の温度や辺りに漂う透明な匂い。そんな夜を構成する全てを愛していた美春は、あらゆる…

クリスマスの夜。 街を仲睦まじく歩く若いカップル・良樹と雪乃。 降り出した雪を眺めながら、良樹はふと自分が小さい頃に体験した、雪の日のある不思議な出来事を思い出し、雪乃に語って聞…

俺は4月に入社した新卒社員、田中太郎 晴れて商社マンになったが早速コミュ障っぷりを発揮してしまい大失敗。 その償いというべきか、俺はとある占いの館に行くことになった。その占いの…

「大切な人を守りたい」 ゾンビが溢れる中、その思いを胸に生き抜いた引きこもりこと奥村大智。 時を同じくしてそんな奥村と同じ思いを秘め、ゾンビが蔓延る終末世界を歩く若者たちがいた。…

少女は目を澱ませ歩く。 雨の中を傘も差さずに・・・・ 街角にひっそり佇む喫茶店。 そこに居るのは＜お節介なおじさん＞だった。

ふらりと立ち寄った街でとある『花』の話を聞いたファン。魔力を無限に蓄えると言われるその花は師匠が残した書に記されしものだった。ファンはさっそくその花を摘みにドウトの森へと足を運ぶ…